てりり◎物語、梗概集

てりり◎物語、梗概集

筋、道理。重層世界の諸要素。ナラトロジー

 

 

 

僕「ねえ、君の望みは何なのかな、僕では力になれない?」

スワン「わたしは望みを自分でかなえてる最中だし、

だけど私の望みに必要な事で私には出来ないこともある、

それは出来る人にお願いしてやってもらう事だけど。

あなたは私が必要としてる事を行う役割の人じゃ無いじゃない。

もし私の為に存在してくれたいのなら、

あなた自信の役割を身につけて。

この世界の行為者としてその魂を役割づけて、

そうして初めて、あなたは私の望む人になれる」

僕「僕が、僕として、この世界から必要な存在として、

在らねばならない、か……。

何も成さない事を自らに定義付けてきた僕では、

君から望まれなかったのは道理だったのだな。」

スワン「あなたには武器がある、豊富な語彙、膨大な無駄知識、悟りすぎて永遠の迷子になって過ごす独自性、あなたには世界からの需要がある」

僕「そうか……」

スワン「あなたの生きる場所を見つけて、

役割を見つけて、

居ていい場所があなたにはある」

僕「僕は……、君から望まれる存在になるよ……。

君から求めてもらえるだけの、意義と意味と価値を、この魂に刻みこむよ」

スワン「頑張って、素敵なあなた、

私はその日を、待ち焦がれてます」

僕「君に望まれる存在に」

スワン「約束よ」

僕「待ってて」

スワン「もう行かなくちゃ……いつか、また」

僕「スワン……! きっと、きっと僕はそこへ、辿り着くよ……!」

 

 

飛び立つ白鳥、見送る僕、

背後の熊が僕を見守り、現世を生きる道を、暗喩する。

 

 

END

 

 

2015.2.26(木)