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僕「ねえ、君の望みは何なのかな、僕では力になれない?」
スワン「わたしは望みを自分でかなえてる最中だし、
だけど私の望みに必要な事で私には出来ないこともある、
それは出来る人にお願いしてやってもらう事だけど。
あなたは私が必要としてる事を行う役割の人じゃ無いじゃない。
もし私の為に存在してくれたいのなら、
あなた自信の役割を身につけて。
この世界の行為者としてその魂を役割づけて、
そうして初めて、あなたは私の望む人になれる」
僕「僕が、僕として、この世界から必要な存在として、
在らねばならない、か……。
何も成さない事を自らに定義付けてきた僕では、
君から望まれなかったのは道理だったのだな。」
スワン「あなたには武器がある、豊富な語彙、膨大な無駄知識、悟りすぎて永遠の迷子になって過ごす独自性、あなたには世界からの需要がある」
僕「そうか……」
スワン「あなたの生きる場所を見つけて、
役割を見つけて、
居ていい場所があなたにはある」
僕「僕は……、君から望まれる存在になるよ……。
君から求めてもらえるだけの、意義と意味と価値を、この魂に刻みこむよ」
スワン「頑張って、素敵なあなた、
私はその日を、待ち焦がれてます」
僕「君に望まれる存在に」
スワン「約束よ」
僕「待ってて」
スワン「もう行かなくちゃ……いつか、また」
僕「スワン……! きっと、きっと僕はそこへ、辿り着くよ……!」
飛び立つ白鳥、見送る僕、
背後の熊が僕を見守り、現世を生きる道を、暗喩する。
END
2015.2.26(木)