美獄物語

　極端に人気の高い違法な内容の物語を書かせ闇ルートで流布し利益を得る闇の商売をする男が、作家を誘拐監禁管理し能力の全てを絞り出させ新たな激烈に売れるジャンルの作品を書かせる。規制の網をかいくぐる闇の同人イベントに来訪した高貴な少女はその物語と出会い、愛し、その奥に隠された作家の本当の想いを知る。囚われた作家を救う為、少女は侍従や家臣を伴い冒険を繰り広げ、けれど身分は明かさず仮面を被り、作家を助け、闇の商人を懲らしめ、世直しをする。助けられた作家は少女に心からの感謝をする。胸に抱いた思慕の情も、気付いた彼女の正体も、口には出さずに心に潜め、少女の為に身を捧げる事を誓う。彼を誰よりも理解する少女もまた彼を思い、いつかまた必ずとの思いをもって、帰り行く車中からも、作家の事を見つめ続ける。民の平安を守ることのできた少女は微笑みながら安息の寝息を立て、御所へと帰還するのだった。後に、世界を席巻する大作家となったある者は、身分を超えた恋を実らせ、さる高貴なる方と結ばれたという。