てりり◎物語、梗概集

てりり◎物語、梗概集

筋、道理。重層世界の諸要素。ナラトロジー

2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

暖気

暖気が宙空をすり抜けて僕は凍えていく揺れる旗、揺れる気分、揺れる世界波打つ暖気はすり抜けて僕は凍えていく撫でる夢、撫でる空、撫でる息車が全て轢いて潰してくれた浮かぶ暖気、沈んでいく僕の体あこがれを空に眺めながら揺れていく、絶えていく振動が…

カックキャー

カック カック カックカクケキカクケコン……カック カック カックカクケキコケケカン……クケック カー! カー!クケック コッケキー! ……キキッカッ ……カッケンコケケクーカーカーカッ ……カッキュンクキコケー…… コッケケー コッケケッコッキー……キキリクケコ…

一二三四で六尺褌

歌詞「一二三四で六尺褌」出演者:少年、少年の弟(幼児)、割烹着の母編成:歌手(男女×各一名)、弦楽器群(バイオリン×4、ヴィオラ×2、チェロ×2、コントラバス×1)必要な小道具、舞台:和室、六尺褌、旭日旗、等夢:男女がベルカント唱法(クラウス・ノミ…

からくり

からくりを持ってからくりを制す、人の力では敵わないからくりに会ってからりと晴らす、嘘の力では敵わない無明無明とゆくあてど無くも歩けど歩けど道は無く無明無明と泣き叫べども応え無くぬか床の世界回れ廻れ周れ囘れ舞われれば周り見るけれど飽きもせず …

優先順位の死因

しちゃっ としちゃっ としちゃっ としちゃっ としちゃっ としちゃっ としちゃっ としちゃっ とぬるま湯に、ああぬるいけど、この世に大切な、ひよこの子ああそんな夜でも朝でも昼でも着たきりスズメにゃ嫁やれぬ宇宙の、果てから、こんにちはなぜしちゃっ と…

枝垂れ牧草

暗いクリオネ、玄倉伊豆ね、廻る世界と五臓六腑、鋭く尖った獲物を片手に「待て!」放たれたのは矢、一拍子の世界「狩れ!」放たれた追手、五拍子の、七拍子の、急病死の、世界狂おしく「なお」叫ぶ、悶える、しがみつきねぶりかき乱す、爪を立て「はい!」…

拮抗?この女は

拮抗する。体力の有るものと無いものとか、拮抗する。知恵と勇気で拮抗する。体力のあるものは、バカだ。生きていても仕方のない人間のクズだ。しかし、体力があるから、勝ってしまった。クズが世界を制するのだ。だから世界はこんなにも愚かしさに溢れてい…

パンと紅茶とあと何か

パンと紅茶とレモンティー。紅茶をすすりながらレモンティーを飲もう。パンは無くていいんだ。むしろ無いほうがいい。おにぎりがあれば。紅茶をすすりながらレモンティーを飲もう。レモンは無くてもいいんだ。むしろ無いほうがいい。おにぎりがあれば。おに…

帰還

乳白色の欅に樅の木を加え、落葉の砂漠に一匙の水を与えよう。泣くな子供たち、お前たちもすぐに還れる。永遠(とわ)に、永久(とこしえ)に。群がる氷蜘蛛を焼いて回る。一匹残らず始末し終え、その灰を深く深く、誰にも手の届かない所に埋葬する。まるで…

落日と不穏

丸くなった猫を膝に抱えて、僕は君が死んでいくのを見守っている、楽しい、夢見る、なでらかな朝口に含んだ砂糖水をわずかづつ飲み込んでいくと、微睡みの中笑う月が浮かぶまだら状の穏やかな染みがふわふわと舞って降りる木造の小部屋に泣く間くらい与えて…