てりり◎物語、梗概集

てりり◎物語、梗概集

筋、道理。重層世界の諸要素。ナラトロジー

まったく嫌んなっちゃうな

 ああ、まったく嫌んなっちゃうな、誰彼問わずどうにでもなれと思っちゃうよなこんな日に、なんで僕は徒党を組んでたむろしているのか、こんな日差しの中を。僕の頭の中に仕掛けられた時限爆弾を破裂させてメタモルフォーゼさせたいんだ、君に送るために木っ端微塵にして。そんな訳で僕は君に届ける。君が嫌がったって送りつけてやる。君の嫌がる甘いチョコレートを。
 僕は彼らから強制的に(暴力で)それを諦めさせられ、君との距離を計らせられた。いつまでも止まない雨に打たれながらボロボロ泣き続けて笑った。人間並の価値ってやつが僕には無いらしい。人としての価値の無い人間だからといって、人である事に違いは無いだろうに。けれど僕はそこで穴を開けられた。穿たれたんだ。微笑み返す君をみつめながら死にたかった。死ねないのならいっそ永久に意識を閉ざされたかった。だけどそんな夢みたいな希望を奴等は叶えてくれるはずも無く、僕はただ虫けらの死骸のようにそこに放り出された。痛みは激しく、ただもう絶望したくて、でもできなくって、意識は閉ざされず、もう僕には僕をどうすることもできなかった。
 僕が目にしたメタモルフォシスはそこに現れた。彼方から来たりて七色に輝き、ふわりと浮くように着地するとそこにまろやかな滑らかさを醸し出し、つつうらうらの日々にゲシュタルトを崩壊させ、僕の吐息は蠱惑につつまれた。僕はそこにもう死んでもいい心地よさを見出し、ある意味あてつけのようなさじ加減でもって、最後の言葉を唱えた。その言葉に包まれて、世界は三千世界へと飛翔した後、恒星級の爆発を持って散り散りに砕け散った。
 みんな死んでしまえばいいのに