少女蝸牛
※小さな女の子の話
庭で見かけたカタツムリ、今はわたしの部屋で這いずってる。畳の上をぬめぬめとくねりながら、なんだかきれいにきもちわるい。
このカタツムリをポケットに入れて、学校に歩き出す。クラスメートにみせびらかして、このカタツムリ太郎をみんなのアイドルにしてあげるんだ。しとしとピッチャリ雨音になびいて、校門を入るとみんなもう教室で大騒ぎ。カタ太郎はみんなのアイドル、みんなで飼うことになった。
カ太郎はもぞもぞ這いずり回り、ねめって愛おしい。もぐりぐらぐりりとめくるめくきらめきまたたいて、もうたまらなくてズキューン。みんなで奪い合いの喧嘩になった。教室は戦場だ! この戦争で勝ち残ったただ一人、それが飼い主として相応しい。えい、や! 血で血を洗う殺戮、そして佇む先生。おずおずと漁夫の利で最終勝利者となったこのわたしはやはりカ太の所有者として相応しい。
この世のすべてであるクラスという社会の頂点に立った私は、おまわりさんにつれられて、泣くおかあさんの前でひたすらおこられました。くすん
wrote 2014/1/29