てりり◎物語、梗概集

てりり◎物語、梗概集

筋、道理。重層世界の諸要素。ナラトロジー

正義の申し子 2

 さて、そんな彼の前に現れたのが、悪の申し子、黒雲重蔵(くろくも・じゅうぞう)。
強請り、脅し、殺しに強姦、悪いことならなんでもござれの好き放題。
そして被害者の弱みを握って、有無を言わさず関係を継続させ、奉仕させ続ける。
どこまでも自分に依存させ、貢献させ、それは、永遠に。
しかし彼は、自分を悪だなんて思っちゃいない。
ただ、人を裏切り利用し自分の為に存在させる事を、当たり前だと思っているだけ。
悔いる事など無く、ただ、もっと上手く利用する事を考える。
不幸になる人々は本人の責任で、彼らが自分の為に貢献する事など当たり前だと思ってる。
そうやって、あらゆる存在を悪業に絡め捕る。
いつまでも、何度でも、いくらでも。